2進数⇒10進数 を理解するために。

実数の性質、指数関数、関数のグラフ、指数法則などをやさしく書いています。2進数のみならず、10進数を学ぶ上でも基本になる事がらですが、深く立ち入らない方が得策(いい)かも知れません(笑)

8ビットと16ビットのBox →デジタル化

 下図のような8ビット列(= 1バイト)Boxや16ビット列(= 2バイト)のBoxがコンピュータの中にたくさんつなげて埋め込んであって、 このビットに続けて電気信号「0」か「1」を送ることによって 、計算だけではなくそれ以外にもいろいろと出来るような気がしてきました。

実際に情報通信、文字や画像や音楽なども一定のルールで連続した「」か「」に変換することで表現できるのです。 こんなことをデジタル化というようです。

数直線 = 実数の図形化 (準備1)

 世の中に実際に存在する数は「実数じっすう」と言います。大雑把(いい加減)な分類表を直ぐ下に描いてあります。 実際には存在しないけれども人間の頭脳(あたま)の中に作り上げた数は他にありますが、ここには触れません。
実数を図形化したものに「数直線」があります。

数直線の基本は原点O(オー)と、原点から右方に距離が「1」である単位点Eを有する向きを持った直線です。原点Oには0(零、ゼロ)、単位点Eには1を対応(目盛る)させ、座標と呼びます。O(0),E(1) と表記します。原点Oから右方に距離がp(p>0)にある点Pについては、OP=p・OE の距離関係が成り立ちます。このようにして原点0の右側に正の数を対応させます(距離ですから)。また原点Oの左側に負の数を対応させる説明はあえて触れませんm(^_^)m 
さて、このように定めた数直線には、実数が小さいものから大きいものへ右方向(→)に、順序良く、ベッタリと 埋めてあります。最初に述べたように、世の中に実在するすべての数が目盛られているわけです。
 あなたはこの数直線に(実数の並びに)隙間(すきま)があると思いますか 。興味のある方はデデキントの切断(せつだん)と呼ぶ物騒(おっかない)なものをホームページなどで検索してみてください。
よく知られている有理数について言えば、無数にギューツと埋まっていますが、隙間(すきま)だらけです。

何気なく「数」と呼んでいる実数は、普段は10進数 で表記しているものです。

ここでは、うっかり罠(わな)を案内しましょう。
 足(た)し算して減る場合がたくさんある。例えば に「−1」を足すとになる。 4+(−1)=3
かけ算して減(へ)る場合がたくさんある。例えば に「0.5」を掛けるとになる。 4×0.5=2
負の数(−1)や小数( 0. 5 )などは気をつけなければいけません。分数の扱いもそうです。

グラフ = 点の集合体 (準備2)


 直交(直角に交わる)する2本の数直線を 用いて座標平面を作る。デカルト(フランス)という数学者が考え出したものです。横に用いた数直線はx軸(右方が正)、縦の数直線はy軸(上方が正)といい、あわせて座標軸、その交点を原点O(オー)と呼びます。 この座標平面O-xy上に一定のルール(図を参考)で実数の順序組 (x, y)を点(x, y)と対応させる。そこに図形(=グラフ)を描きます。実数 x, y の間の関係式:y=f(x)を満たすような点( x ,y )全体の 座標平面上の集合が、その関数y=f(x)のグラフと呼ばれるものです。

関数の考え方 (準備3)

 
図はという名の Box です。 左方の入り口(IN)に  x を1個入れると、 Box の中でいろいろと加工(変化へんか)して、右方の出口(OUT)から になって 1個だけ出てきます。 x, yは実数です。この 実数 x ⇒ 実数 y が関数の基本です。(x ⇒ yであって、逆に y ⇒ xではありません。)
関数(かんすう)は、2つの変数(変化するもの) y の間の関係を表すルール=規則(きそく)で もあります。 を決(定)めると、その規則に従って y が1つだけ決(定)まるのです。このとき y は x の関数であると言い y = f (x) などと書きます。f は function の頭字です。 

指数関数 y = Ax 

関数(かんすう)については既に述べました

 Aは1でない正の数のとき、実数x ⇒実数yの関係式 y = Ax Aを底(てい)とする x の指数関数 (しすう)と言います。

y=2のグラフ (底A=2 のとき)

xは実数の値ですから、 実数のところで述べましたが、ベッタリと連続して無数にあるのですが、 簡単にみるためにとびとびのxの値(整数)について、yの値を計算し対応表に示しました。
 
 次図はというBox つまりは、関係式y=2を満たすような点( x ,y )全体の集合がそのグラフと呼ばれることに注意して、 順を追ってそのグラフを調べましょう。

その(1)には対応表による 点(2, 4)、(1, 2)、(0, 1)、(−1, 0.5)などを座標平面に赤ポイントしてあります。
その(2)には、更に点( , 1.414)、( , 2.828)その他を追加してあります。 点の間の隙間が次第に詰ってきています。 どんどん点を書き加えてゆくとグラフが出来上がります。 大切なことは無数の点を集めると曲線になってゆきますが、 余程のことがない限り自然になめらかな曲線になるということです。実数の連続性という性質からついに最終のグラフは次に描いたような 連続した曲線になります。

 A=2 の場合、
  指数関数 y = 2x
 のグラフが完成しました。対応表x の値に対するyの値)に基づき、(a , 2a)を幾つか書き入れています。
x軸 より上方にあり、右上がりの滑稽(こっけい)なカーブです。
指数関数というのは小学生にはまだ早いと思いますから深入り無用です。また中学生程になると、図中で書いてない y = 3 となる X の値を知りたくてウズウズすると思いますが、x = log2 3 (ロッグ)と知るのは「対数(たいすう)」が出てきてからです。 

指数法則をほんの少しだけ

Aは1でない正の数、 m, n は適当な数とする。
(1) Am An = A m +n
(2) Am÷An = A m -n
(3)
(A mn = A m n
(4) 
= 1
(5)

(6)
(4),(5),(6)は指数の拡張(かくちょう)<下に コメント入り>をするための大切な約束事です。これにより指数 m, n がどんな数であっても成立することになっています。
Am×An   Am・An または Am Anと書いて ×記号を略する。乗算は加算より先に行う。 だからA+BC と(A+B)C は異にする。

具体的にm , n に数値を用いて法則を見てみよう。
例えば 
(1)について、m = 3,  n = 2 としてみると、
 A3A2 = (AAA) (AA) から
 AA = A3+2 = A は 成立が確かめられる。

(2)については、m = 5, n = 3  (m > n)  のとき
 A5÷A3 = A 5-3 より確かめられる。
 また(2)は、m = 3, n = 5  (m < n) のとき
 A3÷A5 = A 3-5 より確かめられる 。

(5)の約束は、負数の指数のために必要だったのです。

(3)について、例えば (A2) 3=A 2×3 について、
   A2A2A2 = (AA) (AA) (AA) = A6 で 確かめられる。

(6)は分数の指数への拡張(かくちょう)をする約束です。右辺は n乗したらA となる数で、累乗根(るいじょうこん)といいますが ここでは触れません。
 

10進数のこと ⇒ 10を底とする指数関数 y=10

10進数の基本は、10を底とする指数関数です。

 上と同様に対応表を示しましたが、グラフは
特徴(形など)が y=2 とほぼ同じになることが表から分かります。 
10進数の構造(中身)について一般的に次のように考えます。
an-1 an-2 ……a3 a2 a1 a0  n桁表示している10進数を指数表現(10が基数)すると
  
an-110n-1 +an-210n-2 +……+a3103 +a2 102a1 101+a0 
例えば
 325=300 + 20 + 5
    =3×100 + 2×10 + 5×1
    =3×10 + 2×10 + 5×10 
小数では
 30.547=3×10+5×10-1+4×10-2+7×10-3  などです。

2進数(符号なし)を調べます

 ビット(bit)のポジションごとに、重み(ウエイトweight)= 位(くらいposition)を持たせます。雑な言い方をすると右方のビットは軽く、左方へゆく程に重い(偉い)。次表に具体例を示しました。 例えば仮の番号がのビットは第4位(4けた目)にあり、 重みは2です。 の位(くらい)の数と呼びます。

ほぼ準備が出来ました。

左図で例えば、ボックスナンバー13  は
2進数 1101 ですが、
1101= 1×23 + 1×2 + 1×20
         = 8 + 4+ 1
         = 13  (10進数の13)
また適当に選んで
10111 = 1×24+1×22+1×21+1×20
          =  16 + 4 + 2 + 1
          =  23 (10進) 
 これは、ボックスナンバー23一致しますよ。
 
左図は上表と較べるため、10進で 0 から 31 までの数について、8ビット(1バイト)Boxマシンの各ビットのスイッチの ON(1)、OFF(0) の様子を再掲示しました。

さらに、16ビットについて例を続けます。 16ビットの上図の方は
 110 0010 1011 (2)  = 1×210 + 1×2 + 1×25 + 1×23   + 1×21+1×20
                              
= 1579 (10) → 当然にボックスナンバーに一致ですネ。
また下図の方は
   1111 1111 1111 1111(2) = 65535(10)  となることは各自で確かめて欲しいと思いますがボックスナンバー65535 にピッタシなのです。これが16ビットで表示出来る最大数です(符号なし整数)。
従って、2進数の構造(中身)について一般的にいうと次のようになります。  a は 0 か 1 のとき 
 an-1 an-2 ……a3 a2 a1 a0 
と n 桁表示している2進数を指数表現(2が基数)すると
  
an-1・2n-1 +an-2・2n-2 +……+a3・23 +a2・ 22a1・ 21+a0 

小数を今はチョットだけ扱います   

本格的には「分数 / 小数」ページで


簡単のため、1バイト=8ビットで見ます。
どこかに小数点があるものとします。どこでもいいんですが、今は3番ビットと4番ビットの間がその位置としますよ。

例1 1,3番ビットに電灯がつきました。
 3番ビット=小数第1位は、2-1のケタ(重さ)
  1番ビット=小数第3位は、2-3と考え、
  0.101 = 1×2-1 +1×2-3  
      = 0.5 + 0.125
       = 0.625(10)   となります。
例2
 
1.1011 =1×20+1×2-1 +1×2-3 +1×2 -4  
   = 1 + 0.5 + 0.125 + 0.0625
   = 1.6875(10)  となります。

問題など

問1 次の2進数は、上図で表した場合にボックスナンバーはいくらになりますか。
(1) 101 0110 (2) 1 1111 1111

問2
 次の2進数を10進数に直してみよう。 すべて正の数(符号なし)です。
(1) 11011 (2)1010101

問3
 次の関数Box のルールは何だろう! 頭の体操m(^_^)m
 
(1)
 1を入れると2が出てくる。2を入れると6が出てくる。3を入れたら12が出る。4を入れたら20が出てきます。
 さ〜てこの関数Boxに5 を入れたら何が出てきますか。また 10 を入れたら何が出てきますか。
 (2) x=1のとき y=1。x=2のとき y=3。x=3のときy=6。x=4のときy=10です。
 x=5のとき yはいくらですか。 また x=10のとき yはいくらですか。

前ページの答え
問1 1001 
問2 10010 
問3 10010 
問4 1001000 

指数の拡張について (一言)

 A3 は Aを3回(あるいは3個)かけることであるから A 3 =A・A・A と思っていませんか? 
それで間違っていませんが、そのままでは A -3 や  A(Aの乗です) が説明できませんまさか A  回かけると言っては意味が分からなくなります。
  それ故 A の指数 が正の整数だけでなく次々に⇒零⇒負の整数⇒分数(有理数)⇒無理数などと置き換えても  共通して意味が通じるように(すべての法則がくずれないように) 順にすべての実数に拡大していきます。 これを指数の拡張といいます。 次回は、逆に10進数を2進数に換える方法を調べましょう。


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